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コラム『Gardeners delight』

第2回
”GARDEN”で農業研修

土からたべるものをつくること

端的に言うと”土からたべるものをつくること”に憧れて訪ねた先は、住んでいた海辺の街から車で30分くらいにあるFOREST ROWというビレッジのTABLEHURSTというファームだった。

イギリスの農園01

ファーマーのPETER BROWNが農園のなかをひと回りしてくれた後に納屋の片隅でティーを淹れてくれた。

単刀直入に現場で農業を学ばせてくれないかと尋ねた。
彼の答えは明快だった。

「大きなスケールで家畜を飼うような農業は人生の半ばから始められるようなことではないから、野菜づくりを学んだらいいよ」

ということで同じビレッジの小さなガーデンのファックスナンバーを教えてくれた。
(イギリスでは野菜をつくる農園は”GARDEN”で、”FARM”は牛などの家畜を飼っているところ。なので野菜農家はFARMERではなくGARDENERということになる)

「東京、都会育ちの37歳(健康と体力には自信あり)のphotographerがgardenerに憧れている。週に2日程通って何でもするので、現場で野菜づくりを学ばせてもらえないか?」

とピータブラウンが教えてくれたナンバーにファックスを送った。

数日後に、「週7日、朝6時から日没までのいつでもガーデンに来て働くことを歓迎する」という返事が届いた。

ボランティアワーカーとしての農業研修

農業研修

そうして2000年4月のある日に初めて”Michael Hall School Garden"を訪ねて以後ボランティアワーカーとしての農業研修が始まった。

2004年9月からはこのガーデンのオーナーであるシュタイナースクールの職員として勤務し、2007年4月に日本に帰国するまでgardenerを職業とした。

ガーデンでは年間を通じて約50種類の野菜とハーブを栽培していた。
ハーブといってもバジルなど料理に使うものを少しつくっているだけだった。

アルニカとの出合い

アルニカはキク科の多年草

2004年の夏に知り合いの縁でスコットランドのハーブ農園を訪ね、1週間ほどガーデンを手伝う機会があった。

そこはアルニカという黄色い花を栽培していて、ちょうど収穫の時季だった。

アルニカはキク科の多年草で、アルプスの標高の高いところなどに自生している薬草。
(抽出液を配合して軟膏やマッサージオイルなどがつくられている。皮膚から浸透して打ち身、捻挫、筋肉痛などの炎症を抑えたり、疲れて足がだるいときなどに擦り込んでおくと効果がある)

シュタイナースクールのガーデナーとして

野菜作り

しかし、この時はまだハーブづくりにはあまり興味を感じなかった。

その後イングランドでシュタイナースクールのガーデナーとして3年、日本に戻ってからも数年間は野菜づくりばかりしていた。

そして2014年頃からハーブ、わけても”medicinal herbs”=薬草の栽培に強く惹かれていくのだった。

Ken Takewakiさん

竹脇 献さん プロフィール