第2回更年期かな?と思ったら
太古から脈々と受け継がれた智慧でもあり、未病を防げる医療でもあるアーユルヴェーダ。
今回はあれ?私、更年期かな?と不安になった時、そしてなる前についてのお話です。
不調のベースとなる自分の体質(ドーシャ)
更年期を迎える前のターニングポイントとなるのは、35歳からの時期。
この時期に自分の身体や心の特性=体質と向き合い、自分の体質に応じたライフスタイルやケアをしてゆくことが、不調を未然に予防することとも言えます。
そして、そのために知っておきたいのが、自分の体質。
アーユルヴェーダでは、その体質を“ドーシャ”と呼びます。
例えば、
・常に人に囲まれた賑やかな日常が好きな人、また反対にそれがストレスになる人。
・一人の静寂の時間が好きな人、また反対にそれがストレスになる人。
・キビキビと常に動いているのが性に合っている人、反対にじっくりと留まっているのが性に合っている人。
など様々なタイプの人がいますよね。
これも体質を知る大きな手がかりとなります。
家庭や職場、友人関係など日々様々なコミュニティーの中で、様々な役割を持って暮らしている私たちですが、他人の尺度や要求に合わせた自分の姿ではなく、自分自身は本当は何をストレスに感じ、逆に何が自分にとっては自然なのかを、自分でしっかり把握しておくことがセルフケアの第一歩となります。
風/火/水の3つのエネルギー
アーユルヴェーダの体質“ドーシャ“は3つに分けられます。
それぞれ風の要素(エネルギー)が強い人をVata(ヴァータ)体質と呼び、同じく火の要素が強い人をPitta(ピッタ)、水の要素の強い人をKapha(カファ)体質と呼びます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
さて、自分自身はどのタイプに近いでしょうか?
- ・明るくて快活だが、興奮しやすく気分が変わりやすい。
・新しい環境が好きで、順応性が高い。
・動作が素早く、歩くのもしゃべるのも早い。
・熱中しやすく衝動的なので、食事や睡眠も不規則になりやすい。
・新しいことにすぐ飛びつくが、持続力はあまりない。
・寒さに弱く、怖がり。冷え性。
・ストレスを受けて緊張しやすく、便秘や不安、心配になることが多い。
・皮膚の乾燥トラブルに悩まされやすい。
・冷たい北風が吹く時期に体調を崩しやすい。
・忙しいと注意力散漫になり、忘れ物が多くなる。
Vata(風)体質の人
- ・情熱的で知的。
・小さな頃からリーダーを任されることが多い。
・向上心がありやや完璧主義なところがある。
・白黒つけないと気持ちが悪く、合理的なことに美しさを感じる。
・便秘とは無縁だが下痢になることが多い。
・消化力が強く、お腹がすくと機嫌が悪くなる。
・言葉が鋭く、分析や交渉、プレゼンテーションも得意。
・暑さや直射日光に弱く、バランスを崩すと蕁麻疹や目の充血、炎症などの肌のトラブルなどに悩まされやすい。
Pitta(火)体質の人
- ・ゆったりとした動作で、辛抱強い。
・温厚で献身的なので縁の下の力もちの役割が多い。
・目立つことが苦手で、波風が立たないことを好む。
・話すスピードや理解は早くないが、深い。
・寝すぎ、食べ過ぎる傾向がある。
・骨太で安定した体つき。
・体は丈夫で、瞬発力はないが持久力がある。
・頭で考えた事より、感じた事を大切にするが、バランスを崩すと執着しすぎたり、物を溜め込みすぎたりする傾向がある。
・春先にアレルギー性の鼻炎や痰の咳が出やすく、鬱っぽくなりやすい。
Kapha(水)体質の人
更年期かな?と思ったら
さて、生理周期が不規則になってきたり、顔が火照ったり、汗が止まらなくなったり…。
更年期と言うとよく聞く症状がいくつかありますね。
実際に、あれ?これって更年期かしら…?と思ったときにはどうしたらよいのでしょうか。
こちらに自分で症状の程度を判断するための簡単な問診票があります。簡略更年期指数(SMI)というもので、日本人の症状に合わせて作られたもの。
合計点から5段階で更年期障害なのかどうか、また治療をすべきかどうかなどの目安がわかります。
更年期という時期はすべての女性が迎えます。
しかし、全員が更年期障害になるわけではありません。
更年期とうまく付き合いってゆくために、次回はこのSMIでの分類とアーユルヴェーダにおける体質(ドーシャ)を元に、更年期のトラブルの具体的なケアの方法をお伝えいたします。
-
次回は「アーユルヴェーダ的からだのケア」
池田 早紀さん プロフィール
- 【記事監修】
-
ヤマダレディースクリニック院長 山田善之
東京医科歯科大学卒、医学博士。
西洋医学だけでなく、日本アーユルヴェーダスクールで学び東洋医学にも精通する婦人科医。
おすすめ製品
「マルチビタミン&ミネラル ウーマンリバランス」