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コラム『アーユルヴェーダと更年期』

第4回
アーユルヴェーダ的こころのケア

Body, Mind & Spiritを対象としたホリスティック医療であるアーユルヴェーダ。
前回の【Body】へのケアに引き続き、今回は【Mind】へのアプローチをアーユルヴェーダ的な観点からお伝えします。

アーユルヴェーダ的こころのケア

起こりやすい気持ちの
ゆらぎのパターン

女性の人生の中に幾度か訪れる、ホルモンバランスの変化を理由とした「ゆらぎ」期。

更年期の時期は、肉体的に現れる症状よりも、気持ちの面で起こるゆらぎの大きさに苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。

時期や原因がはっきりとしているわけではない更年期ゆえに、今までになかった気持ちの波の大きさに自分自身でも戸惑うことがあると思います。

また、自分の内部で知らずしらずおこっているこのような変化を、更年期の症状だと気づかず、自分のことを責めたり、周囲とうまくいかなくなったりして悩んでいる方も多いのが実際です。

例えば、更年期におこる気持ちのゆらぎにはこんなものがあります。

  • ・いつもの仕事や家事がとても気が重い。
  • ・理由もなく無気力になる。
  • ・ふとした時に不安に襲われる。
  • ・今までは気にならなかったことに急に怒りを感じる。
  • ・わけもなくイライラが止まらない。
  • ・今までは気にならなかったことでくよくよしたり落ち込んだりしてしまう。
  • ・今まで興味があったものに急に関心がなくなる。
  • ・常に心がざわざわして落ち着かない。
  • ・交友関係が億劫になる

実際に起こっている
心理的な要因

実は更年期は、ホルモン量の変化といった身体的な要因とは別にライフステージの中で多くの“喪失”を経験する、心理的にもストレスのかかる時期でもあります。

年齢でいうと45~55歳前後に当たる更年期の時期は、平均的に自身の子供の就職や自立、結婚などにより、いわゆる「母親」としての役目が終わる時期と重なる方も多いでしょう。

またパートナーの定年による経済状態の変化や、夫婦としての関係性の問題にも直面します。これまで妻、母親あるいは職業人としての社会的役割を持っていた方も、社会的役割が希薄になり何かを失ったような気持ちになりやすい時期でもあるようです。

加えて親の介護や親しい友人の病気や死を経験し、自身の人生についても考える機会が多くなる時期でもあります。

このように、更年期にあたる時期は、喪失体験を伴うライフイベントが続く時期でもあり、大きなストレスがいくつも重なる時期。実はそういった要因から抑うつや不安に苛まれやすいゆらぎの時期とも言えるのです。

アーユルヴェーダ的こころのケア

アーユルヴェーダ的
こころのケア

更年期障害はその人の性格や気質(アーユルヴェーダでいうところの体質)に左右されると現代医学でも現在では認められています。

アーユルヴェーダにおける3つの体質(ドーシャ)の分類をもう一度見てみましょう。 >第2回「更年期かな?と思ったら」
ご自身の元々の性格や気質は、Vata(風)・Pitta(火)・Kapha(水)3つのうちのどれに近かったでしょうか?

現在おこっている気持ちのゆらぎが元々の自分の体質の特性に近ければ、そこに書かれている体質別の3つのケアを実行してみてください。

逆に、自分の体質の特性と全く違う気持ちのゆらぎに悩まされているようでしたら、まずは自分自身の過剰になっている乱れた部分を沈静化してゆきます。

そのために一番良い方法が「片鼻呼吸法」です。

アーユルヴェーダ的こころのケア

片鼻呼吸法
(ナーディショーダナ)

数ある呼吸法の中でも、交感神経と副交感神経のバランスを整え、自律神経を整えて行くのに最適な呼吸法です。

    片鼻呼吸法
  • 1.  楽な姿勢で座ります。
  • 2.  右手の人差し指と中指を曲げ、親指で右の鼻を押さえます。薬指と小指は左の鼻に添えます。
  • 3.  左の鼻でゆっくり息を吐きます。吐き終わったら、左の鼻でゆっくり息を吸います。
  • 4.  薬指と小指で左鼻を押さえ、親指は右の鼻に添えるようにします。
  • 5.  今度は右の鼻からゆっくり息を吐きだします。吐き終わったら、右の鼻でゆっくりと息を吸います。

これを10回ほどゆっくりと行います。慣れてきたら5分ほど続けてみてください。

ヨーガでも実践されるこの呼吸法ですが、更年期の時期、暴れ馬のようにコントロールできない自分の心の動きを、静かに自分の手元に引き寄せ、穏やかで落ち着いた状態を取り戻すのに大変役立つ方法となります。

この呼吸法は毎日続けることで自律神経も整いやすくなってきます。更年期という時期に差し掛かる前から、この呼吸法を習慣にしておくだけで、心というものと向き合いやすくなってきます。

毎日の生活の中でのほんのすこしの工夫。短い時間でもパワフルな影響力を持つ古来からの人を癒す叡智。

ぜひくらしの中に取り入れてみてくださいね。

次回は連載最終回。
更年期の不調に効くハーブやお食事についてお伝えします。

次回は「.ハーブとお食事」

池田 早紀さん

池田 早紀さん プロフィール

  • 【記事監修】
  • ヤマダレディースクリニック院長 山田善之

    東京医科歯科大学卒、医学博士。
    西洋医学だけでなく、日本アーユルヴェーダスクールで学び東洋医学にも精通する婦人科医。
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