コラム『カナダに暮らす。カナダを楽しむ。』

第7回
カナダでワイルド出産、回想録

早いものでもう師走。
我が家では、娘の誕生1年を迎えようとしています。

1年前の出産のことを懐かしく振り返ることが多くなってきた今日この頃です。

昨年カナダ人パートナーとの間に授かった長女の出産は、驚くほどの安産でした。

陣痛2時間半の末に、なんと自宅で、パートナーと二人きりのときに、つるりと産まれてきたのです。
もちろん、こうしたワイルドな(?)出産は、カナダのスタンダードというわけではありませんが、一体験記として、今回は私の出産について回想したいと思います。

美しい湖を背景にマタニティーフォト
▲夏に滞在する湖畔の家にて、美しい湖を背景にマタニティーフォト

カナダでの妊婦生活 

妊娠が発覚してからは、人並みにつわりの症状はあったものの、順調に経過をたどっていきました。

事情の詳しくないこのカナダで妊娠・出産することへの多少の不安はありましたが、基本的に自宅で仕事をしているパートナーがそばで支えてくれたので、自分だけの妊娠というより、いつも二人三脚で妊娠生活を送っている気持ちでした。

美しい湖を背景にマタニティーフォト

だいぶお腹が大きくなった8ヶ月の頃、ブラジル人のクラスメイトが、せっかくだから記念写真を撮りに行こうと誘ってくれて、モントリオールの象徴的な山、モンロワイヤルを散策しながら、メープルの美しい紅葉を背景に大きなお腹を写真に収めました。

モンロワイヤル公園にてマタニティーフォト
▲紅葉真っ盛りのモントリオールのモンロワイヤル公園にて。小高い山で広いので、歩いて登るとけっこう良い運動になります。

メゾン・ド・ネサンスへの通院

妊婦周期が進むと、どこで産みたいかということを考えるようになりました。

カナダでは、日本と同じように多くの妊婦さんが病院に通院し、出産します。
でも私はもうひとつの選択肢である、「メゾン・ド・ネサンスMaison de naissance(出産の家)」と呼ばれる施設に通うことにしました。

メゾン・ド・ネサンスの産室の一例
▲メゾン・ド・ネサンスの産室の一例。鮮やかな色のインテリアで明るい雰囲気のお部屋でした。

メゾン・ド・ネサンスの大きな特徴は、妊娠・出産は病気ではないので、医療とは別の枠組みで行おうという姿勢です。

そのため、一般的にカナダの病院では無痛分娩ですが、メゾン・ド・ネサンスでは自然分娩となります。ただし、医療を必要とする事態だと判断された場合には、速やかに提携先の病院に搬送されるシステムになっています。

私の通った施設では、1人の妊婦につき2人の助産師さんが担当してくれました。

妊娠の過程では、何か問題がない限り、病院で行うことと大きく変わりはないと思います。定期検診に通い、必要な検査も受けるし、専門機関に赴いてエコーも受けます。

違いと言えば、医療機関ではないリラックスした雰囲気、そして白衣の医師ではなく、カジュアルな装いの助産師さん。
妊娠・出産クラスにも通いましたが、お茶やフルーツ、お菓子とともにソファで説明を聴き、語り合うという和やかなものでした。

産室を見せてもらったところ、プチホテルのような可愛らしいお部屋でした。真ん中に大きな浴槽が置かれた部屋もあり、ここでは水中での出産ができるとのこと。

いずれも、新婚旅行に来たようなウキウキするような空間でした。

水中出産用のバスタブ
▲水中出産用のバスタブ。こんな空間なら思い出深い素敵な出産になりそうですね。でも水中だからと言って痛みが和らぐというものではないそうです…。

私のメインの担当の助産師さん、マリーはおっとりとした人柄で、心配事や不安があって質問してもいつも、「大丈夫よ、自然にまかせて〜」と言われました。

正直なところ、たまにそれが頼りなく感じて、「もういいや、自分で調べよう」と思うことは何度もありました…。

あくまで妊婦さんとそのパートナーが主体となって、自然な形で出産を行うということを理想とするメゾン・ド・ネサンス。
自分に適しているかどうかは、それぞれの妊婦さんのスタンスや状況によると思います。

いろいろ思うところはありましたが、私たちにとっては、結果的に最良の選択でした。

自宅での出産という選択

メゾン・ド・ネサンスでのバースプランをイメージし始めた頃、助産師さんに薦められたDVDがありました。
さまざまな事例を採り上げた実際の出産場面のDVDで、これにより出産の様子がイメージではなく、はっきりと知ることができたのでとてもよかったです。なかには、自宅出産のご夫婦の例が出てきました。

これを観た数日後、強く印象に残ったパートナーが突然、「自宅出産を考えてみないか」と言い出しました。

さすがに、急な提案に少し戸惑いました。

でも、施設が自宅からわりと遠いところだったこともあって、産前産後の車での移動を避けるためにも、結局、私は自宅で産むことを決意したのです。

予定日も2週間後に迫っていた頃でした。

満月パワー?
二人きりで迎えた出産の瞬間

出産の瞬間

予定日1週間前のこと、夜にパートナーと近所のお店に買い物に歩いていたとき、見事に丸い月がきれいに輝いているのを見て、「満月パワーで明日産まれたりしてね!」なんて冗談を言っていました。

その晩寝る前に、冗談がなんとなく気になって、モントリオールの満月の時間帯を調べたら、翌日のお昼頃だったのを覚えています。その翌日、長女は誕生したのです。

正午前から鈍痛を繰り返し感じるようになり、やがて今までにない激しい痛みになってきました。
パートナーに、「ちょっとこれ始まったのでは?!」と訴えましたが、予想外の早さに戸惑う彼。
助産師さんに連絡してくれましたが、「でもこの先が長いからね…」など言って、まさかすぐに産まれるとは思っていなかったのです。

ところが、じっとしていられないほどの痛みに部屋を這いずりまわる私。
自宅に最も近くにいた助産師さんが向かっているので、電話で彼がどういう状態かを説明している間、一方の私は、「ちょっと出てくるよ!!」と、まさかの事態に…。

つるりという感じで、ほとんど力むこともなく産まれてきた赤ちゃん。パートナーは受け取るのも間に合わず、タオルを敷いておいてくれたところに出てきたのが幸いでした。

「キャー!出てきてしまった…!」
14時25分、陣痛開始から2時間半ほどの出来事でした。

産後のリラックスした
家族の時間

出産からまもなく15分後、向かっていた助産師さんが二人、自宅に到着しました。

自宅出産を選ぶカップルはそれほど珍しい例ではないけど、まさか自分たちの到着前に産まれる例は初めて、と驚かれました。

出産の瞬間
▲助産師さんが到着して、へその緒を一緒に切るパートナー。

助産師さんたちと一緒にパートナーにへその緒を切ってもらいました。また、赤ちゃんがあまりにもスピーディーに出てきたので、さすがに会陰は破れていたため、その場ですぐに縫うことになりました。

ひと通りの産後処理が終わった後は、新しく3人となった家族水入らずで、ゆっくりとリラックスした時間を過ごすことができました。

これこそ、自宅出産のメリットでした。

さらに助産師さんから、産後一週間はできるだけ、家族3人、素肌でベッドの上で過ごすようにと言われていました。
産まれたばかりの赤ちゃんにとって、両親の肌の温もりをしっかり感じて安心できる大事な時間となるそう。

冬で室内はしっかり温度調節がされていたこともあり、パートナーも産休をとって、私たちはそれを実践しました。
その一週間は、なんと貴重な時間だったことかと、しみじみと思い出します。

あれから1年、娘は元気にすくすくと育っています。

この出産体験がどのように影響しているかはわかりませんが、今のところ、彼女はたいていご機嫌で、リラックスした性格の様子。

私たち新米両親も、初めての経験に右往左往することもありますが、娘の驚くほどの日々の成長に、毎日幸せを感じています。

私たちのカナダ暮らしに、喜びと楽しみ、ワクワクを添えてくれた娘。今後もモントリオールで一緒に成長していきたいと思います。

11ヶ月目の記念写真
▲仕事の都合で滞在していたパリにて、11ヶ月目の記念写真。1才のお誕生日もパリで迎えることになりそうです。

midoriさん

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